2021.11.22 満足のぬるい勝利 vsグラナダ

悪魔の3週間が始まった。21日間で7試合。そのうち後半14日間には、セビージャ、ビルバオソシエダインテルアトレティコと激突する。それに備えて、まずグラナダ戦とミッドウィーク開催のCLシェリフ戦は確実に勝利したい。それも主力を温存する余裕を残しながら。「パルティードパルティード(試合から試合へ)」アトレティコが目の前の試合にだけにとにかく集中することを表す合言葉だ。しかし、今のマドリーのような、この状況では先まで見据えた戦いをする方が堅実だろう。

この試合マドリーはミリトンを今シーズン初めてベンチに置いた。アラバとコンビを組むのはナチョ。負傷明けのロドリゴの代わりにアセンシオを右WGに起用した。グラナダは4-4-2をひいて高いラインを保ちながら守備をする。しかし特別強く前からプレッシャーをかける訳でもなく、ゴール前をガチガチに固めるという訳でもなくマドリーとしてはやりやすかった。

マドリーは序盤ゆったりとしたペースで後ろで組み立ながら攻撃の機会を伺う。ぬるい入りをしたため、相手が相手なら厳しい状況だったが、今日のグラナダはすこぶる悪かった。鋭い縦パスのショートカウンターから立て続けにチャンスを作り、マドリーは着実に仕留めた。グラナダはセットプレーの守備にも集中力がなく、分析済みだったマドリーはこの試合2、3度デザインされたセットプレーを見せた。

この試合際立ったのは中盤トライアングルの質の高さだ。カゼミーロ、クロース、モドリッチ、やはり彼らは世界トップレベルだ。カゼミーロとクロースの縦パスから得点シーンを演出した。また3人ともこの試合アシストを記録した。フェデやカマヴィンガへの期待は大きいが、ビッグマッチではやはりこの3枚を抜擢するだろう。

またヴィニシウスはやはり格別だ。このところ毎試合思い知らされる。失点に繋がるボールロストこそ1度したものの、レッドカードを誘うドリブル、突破率の高いドリブル、メリハリを付けたパス選択、広い視野と落ち着き、キープ力や強さ、格別だった。1得点あげ、得点ランクでもベンゼマに次ぐ単独2位につけている。若いがゆえに、回復が早く、試合に出ながらコンディションを調整する方が良策だと考えるアンチェロッティは彼を起用し続けているため、ファンは疲労や負傷こそ心配だが、ノリに乗ってる今はアンチェロッティの策が正解だろう。存分に暴れて貰いたい。

1つ気がかりなのはイスコ、ヨビッチを初めとする、今のマドリーの波に乗り切れていないメンバーだ。前述の通り、過密日程で強豪を相手にする。終盤はアラバもヴィニシウスもベンゼマもクロースもモドリッチも休ませることができた。しかし、彼らとは明らかにクオリティに差が見える。またベイルやアザールはもはや論外である。競走が激しく、先発に食い込める程チームに刺激を与えるサブ選手はアセンシオ、ナチョくらいだ。フェデの復帰が待たれるが、これではこの先の強豪との5連戦厳しいだろう。

まずは次のシェリフ戦、前回対戦で敗れているだけに気の抜けない戦いになるが、余裕を持って勝ちたいところである。シェリフ戦勝利を逃すと、CLの決勝トーナメント進出が激戦最中のインテル戦に持ち越される最悪の展開になる。