2021.11.29 スペクタクル・ヴィニシウス vsセビージャ
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レアル・マドリードは前節のグラナダ戦を確実に勝利し、ミッドウィークのシェリフ戦でCLの決勝トーナメントを決めてこの試合に臨む。中3日の過密日程の中、シェリフ戦のロドリゴからアセンシオに1枚だけ替えてスタメンを組んだ。対するセビージャもミッドウィークにCLヴォルフスブルク戦を勝利して、チャマルティンに乗り込む。へススナバスとエンネシリを負傷で欠くものの、モンティエルとラファミルという層の厚さで実力十分のイレブンを組んだ。
試合の流れは両者の時間帯があり、ほぼ50ー50のポゼッションとシュート数が表す様に互角だった。
堅い入りで、試合が動き始めたはマドリーの失点シーン前半12分だ。CKからの失点だったが確実に防げた失点だったといえる。失点のCKの前も連続してCKがあったのだ。その失点シーンの1つ前のCKでセビージャのキッカーアクーニャはファーサイドでフリーのラファミルを狙っていた。前のブロックに引っかかったためラファミルには渡らなかったが、ここでの修正がなかった。次のシーンのCKでそのラファミルに全く同じボールで合わせ、先制した。
得点を機にセビージャが攻勢を強める。14分、カルバハルのミスを誘い、1度はシュートブロックに合うも、こぼれ球を拾い、突破したラファミルがシュートを打つ。この試合のマドリーを救ったのはクルトワだった。ここで立て続けにやられていればマドリーは惨敗していたかもしれない。ファーを狙った強めのシュートを、左足と左腕で止めて見せた。この試合の分かれ目だった。依然セビージャの時間帯だがオカンポスのポスト直撃のミドルシュートを除いて決定機は作らせなかった。
前半30分に近くなる頃からマドリーの時間帯となる。するとすかさず、同点ゴールにすべき時間だとマドリーのカゼミーロ・クロース・モドリッチが前線に顔を出す。アラバ、クロースとミドルを立て続けに放ちさらに攻勢を強める。するとこの流れがマドリーに幸運をもたらす。32分、ミリトンの無回転ミドルの処理をセビージャGKブヌが誤り、ベンゼマがこぼれ球を決めて同点。ミリトンは数節前のリーガでもあわやと思わせる無回転ミドルを放っているが、本当に多岐に渡って大きなプラスをマドリーにもたらしている。53分セビージャがボールを後ろへ下げるタイミングで、ミリトンがラインコントロールをし高いDFラインを保っていたシーンがあった。普段ラインコントロールを担うのはアラバだが、ミリトンもアラバ任せではなく、責任感やリーダーシップをも兼ね備えている。
ミリトンを絶賛したがこの試合の主役はもう1人のブラジル人だ。ミリトンのロングフィードを左サイドで受けたヴィニシウスは胸トラップでオカンポスを外すと、寄せてきたモンティエルをかわし、PA隅から豪快にシュート。ブヌの手を弾きネットに突き刺さった。圧巻だ。この試合はほぼモンティエルがヴィニシウスを抑えていたが全てを変えた。苦しいマドリーを救った。価値のあるゴラッソを決めた。今のマドリーはエースが2人いる。スペクタクルなシュートだった。
両者決定力を欠き、堅い守備で引き分け濃厚の雰囲気を1人で変えてみせた。もうどんな状況であろうと、マドリディスタは彼を期待せずにはいられない。
最後ラストプレーでCKからセビージャが決定的なヘディングシュートを放つもクルトワが防いだ。またしても価値ある勝利を守って見せた。
マドリーはまたしてもミッドウィークにバスクの強豪をチャマルティンに迎え撃つ。そして中2or3日の連続で強敵との戦いが続く。ノリに乗ったマドリーに期待したい。
写真はレアルマドリード公式HPより