2021.12.13完勝のダービー、勝つ気しかしない最高の状態 VSアトレティコマドリード

 

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ミッドウィーク、インテル相手にクロース&アセンシオのミドルでしっかりと勝利しCL1位突破を決めたマドリー。この「中盤戦の山場」もいよいよ最終局面を迎える。

代表マッチウィークあけグラナダ戦からシェリフ、セビージャ、アスレティックソシエダインテルを超過密日程のなか全勝してきた。まさかここまでとは、想像以上のプレーぶりだ。アトレティコはミッドウィークCLでポルトを破り、大逆転でグループ2位に滑り込み、突破を決めた。バルサバイエルンに想像通りの完敗を決し21年ぶりのCLグループステージ敗退となった。そしてマドリードダービーキックオフの数時間前に行われたオサスナ戦、終盤に追いつかれ勝ち点2をまたもや取りこぼした。これで試合数は同じになり、8位バルサと15ポイントの差がついた。

リーガ三強で唯一の充実ぶりを見せているマドリーは出場が危ぶまれたベンゼマが先発に復帰し、右ハーフにインテル戦でスーパーゴールを決めたアセンシオを先発させた。ベイルが久しぶりにベンチに復帰したがもはやウイングはヴィニシウスとアセンシオもしくはロドリゴで充実している。アザールとベイルさらにはイスコは好調のチームに取り残されている形となっている。アトレティコはCBに負傷者が相次ぎコンドグビアを抜擢した。

試合はキックオフの瞬間からアンヘルコレアがクロースにファウルを犯したように、アトレティコらしいハイプレスを見せた。マドリーキックオフで試合が始まったが、アトレティコはコートチェンジを要求して、マドリーを何とか乱そうとあらゆる手を尽くしてきた、準備は万端のようだった。実際10分頃まではマドリーはハイプレスに苦しみアトレティコに押し込まれる展開に。しかし今のマドリーは、「ボールをもっても持たなくても強い。」どっしりと構え、クルトワを中心としてミリトンなどがことごとく相手攻撃をはじき返す。

すると10分を過ぎるあたりから流れは徐々にマドリーへ。モドリッチが左サイドに顔を出し、いい距離間・リズムでボールが回るようになった。また、マンディがインナーラップを仕掛け、ワイドでヴィニシウスがフリーで受けることができるようになった。そして、モドリッチ&クロースを起点とした後方からのビルドアップもアトレティコのハイプレスに慣れてきてマドリーペースになってくる。

すると前半16分。前線からプレッシャーをかけ、コケのパスミスを誘う。コケがやや窮屈に縦パスを差し込むと、わざとコースを開けていたモドリッチがカットする。そのボールを拾ったカゼミーロが運び、ベンゼマへ。ダイレクトでアセンシオに繋ぐとベンゼマはゴール前へ。アセンシオは右に流れたヴィニシウスを使う。抜け出したヴィニシウスはタイミングをずらすステップを踏んでドリブルしながら、マイナスで待ち構えるベンゼマへ。さすがのベンゼマ、美しくエレガントなボレーをゴール右隅に叩き込んだ。モドリッチの頭脳プレーから、最高のクオリティのショートカウンターだった。

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ベンゼマとヴィニシウスは阿吽の呼吸でつながっている。感覚で通じている彼らを相手にはアトレティコの守備陣をもってしても歯が立たない。また、ベンゼマやヴィニシウス(ロドリゴも顕著だが)は守備面での貢献も際立つ。タイミングよくプレスバックするとステルス態勢でボールをかっさらう。19分には自陣再度深い位置にベンゼマがプレスバックしボール奪取した。

グリーズマンのFKをクルトワが防ぐなどマドリーもピンチは幾度か迎えたが決定機は作らせない。マドリーもヴィニシウスの左足シュートをオブラクがはじいたり、後半開始早々にアセンシオがゴール前まで侵入したりと一進一退の攻防が続く。

ハーフタイム、マドリーはベンゼマが前半のみでよヨビッチと交代。アトレティコはトマレマル&フェリックスを投入し4-4-2にシステムチェンジ。すると策が功を奏して、後半開始5分ほどたつと流れは再びアトレティコへ。左サイドを崩し、クロスの流れからフェリックスがミドルシュート。抜け出したクーニャがシュートまで持ち込むなどチャンスを作る。しかし、マドリーの守護神は何事もなかったかのように安定感のある余裕のセービングをみせ、アトレティコの得点の匂いは全くしない。

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すると、押されながらも逆にマドリーがダメ押し点を決めることとなる。ミリトンのフィードをクロースが頭で反らすと、ヨビッチがポストプレーでコンドグビアに勝ち、前を向き、持ち出す。左のヴィニシウスへ預けると、大外フリーになっていたアセンシオへラストパス。アセンシオは左でダイレクトでファーに流し込み追加点。すさまじい決定力を見せる。速い攻撃、速い攻守の切り替え、重要な場面でのプレーの質、、あどりーは強すぎる。しかし、この得点のキーマンはカルバハルだ。最後尾のビルドアップで、ミリトンがロングフィードを蹴った瞬間、インナーラップしていたカルバハルは中盤のクロースとほぼ同位置にいた。そしてそのままここぞの機会と見極めゴール前までランニング。得点を演出する異次元のサイドバックだ。ケガがちのため後半途中でナチョと交代したが、高いレベルのプレーを見せた。

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マドリーはその後も決定機を一切作らせず完勝。シメオネも完敗を認めざるを得ない試合内容だった。フル出場したカゼミーロ・クロース・モドリッチのトライアングルがマドリーの勝利を保障している。この試合の特に際立つMVPはモドリッチだろう。今期も継続的に世界最高レベルのプレーを見せる36歳はこの試合もすごかった。先制点の起点となるインターセプトはコケの何枚も上をいく感を見せ、73分のフェリックスとの一対一では経験の差を見せつける完勝だった。今期からマドリーのキャプテンマークを背負う機会が増えるモドリッチは今のマドリーのまさに心臓だ。

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2アシストのヴィニシウスもベンゼマと並ぶ二大エースになり、アセンシオもゴールが増えてきている。クルトワは恐ろしいほどの安定感を見せ、ミリトン&アラバコンビは守備からビルドアップまで貢献し、偉大な前任者をすっかり忘れる活躍を見せる。

アンチェロッティの束ねるチームは最高の完成度を誇り、10連勝を達成した。リーガは独走状態で、CLも終わってみれば余裕の一位通過。CL決勝進出一回戦の組み合わせ次第ではチェルシーやパリともいきなり当たることになるが、今の状態なら昨シーズンの借りを返せるだろう。とにかくこの中盤の山場、全勝で登り切り最高・充実の状態だ。久しぶりにミッドウィークがフリーになり、次は次節で一週間後のカディス戦となるがここで油断をせず勝ち切り、その後中二日でのアスレティックとの再戦をものにし、2021年を締めくくりたい。

 


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写真はレアルマドリード公式HP